記事は少々前のものになりますが、その記事の内容は非常に価値があると現在でも思っています。
10年くらい前までは基本的にソフトチューブ(ゴムホース)を使用してバーブ(継手)/現フィッティング 同士を繋ぐのが一般的な方法でした。
その後海外の先達により銅管と加工した現在のフィッティングの原点になる継手を用いてストレートな配管を創作することが一部のマニアに流行したことで、
各水冷パーツメーカーも製造するようになり、さまざまな水冷パーツが生み出されるようになった。
ただ、精密機器に「水」を使うことへの抵抗感や、万一の水漏れへの懸念は根強いもの。
漏水が起きた場合の代償はあまりにも大きい。
高価なハイエンドパーツへの導入なら、なおさらそのリスクは高くなる。これが普及を妨げる最大の要因だった。
そのため、当時は日本国内でも先達が存在し、本格水冷PCを先駆けて行われていたが経験値の情報共有はインターネットを探してもほとんど薄っぺらい情報しか乗っておらず、
どこのページをみても「何を・どうする・どこで・対策」と言った的確な情報がまったくなかった。むしろどこも「自己責任の上で」という言葉が文書を区切るたびに現れた。
正直、自己責任は自作PCを行っている時点で自己責任が成立していてて、無駄に敷居を挙げているにしか思えなかった。
本格水冷用パーツを取り扱う各社も新製品のリリースや新型フィッティングの開発、CPUやビデオカードのウォーターブロック(水枕)などの精密な改良を行うようになり、
2014年末ではThermaltake社も本格的に本格水冷パーツの製造に進出されるとThermaltake 日本コンシューマーチャンネル関係者から直接耳にしました。それが現在の Thermaltake Pacificシリーズです。
当時はその関係者の周りに誰一人とも本格水冷PCを組める人がいなかった。
その関係者は「このままだとPacific製品を国内でリリースしても誰も買わない」という事は十分に理解されていた。
そこで当時本格水冷の「沼」に足を踏み入れていた「門馬ファビオ」にお声が掛かったと言う訳だ。
発売当初からPacificシリーズの構成はしっかりしており、作りも良かった。
Pacificシリーズの最大のウリはハードチューブ(硬質チューブ)をG-PETチューブと以前から信頼のあるLaing D5ポンプをベースにOEMした同等品のポンプです。
当時ではほとんどのメーカーが取り扱うハードチューブはアクリル樹脂製で切断加工の際は割れる事が多く、アルコールの含む液体が付着するとクラックすることもあった。(性質上現在も変わらず)
そこでG-PETを使うのは非常に画期的でした。アクリル製チューブと比較して多少の透明度は低下するが、カットや曲げ加工を行う上では非常に取り扱いやすい。(もちろんアルコールには強いこともあり、クラックや予期せぬ怪我の心配もない)
そんな画期的な集合体を使わせてくれるThermaltakeは神に思えた。
とにかく、門馬ファビオ氏はハードチューブを使用したことがなかったので、とりあえず必要以上のパーツを提供いただく代わりに、組み立てる上での詳細な情報を提供し続けました。
2015年4月にThermaltake Pacificシリーズの水冷パーツを使ったMODPCを作り、MSI社が運営していたMODPC専用ページ Planet MODs 「現在廃止」にてリリースしました。
それがこちらの作品「Batman The Dark Knight CaseMOD by Fabio Moma」
上記の作品から得た沢山の経験や手に取らせて頂いた多くのパーツのお陰できちんとした情報をこれから本格水冷PCを組みたいと思う皆様にご提供いただけるまでに至りました。
それが、エルミタージュ秋葉原でご紹介頂いている「門馬ファビオ直伝。Thermaltake「Pacific」で組むDIY水冷の世界」だ。
この記事では皆さんがそ「揃わなければいけない最低限のパーツ・工具・加工方法・注意点」が事細かく記載しているうえに動画も添えています!
もちろん、十分に注意頂きたいのは各ハードウェアに関してはそれぞれメーカー保証が付帯していますが、パーツによってはウォーブロックを取り付ける際に分解が必須になり、
ほとんどのメーカーは保証対象外としている。
現在はCPUウォーターブロック、ビデオカードのウォーターブロックを初めから搭載されている製品も発売されているので、心配な方はそちらを利用するのも手であろう。
一度でも機会があれば是非本格水冷を試してほしいです。
最後に「DIY水冷で組んだPCはカッコいい。誰でも安全な水冷PCが組める時代になった」現在でも変わらぬ感想です。